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高畑耕治

Author:高畑耕治
愛のうたの絵ほんは、高畑耕治の詩と詩集の海です。
Profile 高畑耕治 たかばたけ こうじ
1963年生まれ大阪府四條畷市出身、早稲田大学政経学部中退。東京都多摩市在住。
詩集『銀河、ふりしきる』(2016年5月イーフェニックス)
詩集『こころうた こころ絵ほん』(2012年同上)
詩集『さようなら』(1995年土曜美術社出版販売・21世紀詩人叢書25)
詩集『愛のうたの絵ほん』(1994年同上)
詩集『愛(かな)』(1993年同上)
詩集『海にゆれる』(1991年土曜美術社)
詩集『死と生の交わり』(1988年批評社)
雑誌「エヴァ」に扉の詩(1996~1997サンマーク出版)を連載。
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詩の形をさがし、詩の形で生まれる。

 この数日私は楽しい読書をしました。ドイツの詩についての本ですが、詩の移り変わりの考察に、個性的な詩人たちの詩が織り交ぜられ引用されているので、詩が好きな私にとっては楽しい時間でした。 
 以前、海外の詩を一連のエッセイでみつめた際、ドイツ詩については次のように記しました。

ドイツの定型詩と自由韻律。詩人・吉川千穂さんの論文。」(クリックでお読み頂けます)。
 
 そのとき最後に読みたいと書いた本です。『詩とリズム――ドイツ近代韻律論――』(ゲールハルト・シュトルツ/坂田正治 訳1978年、九州大学出版会)。

 今回は、掘り下げた考察や原典の引用はせずに、私がこの本を読みながら感じ思ったエッセンスだけ、
(自分のための覚え書きの意味合いもあって)書きとめておきます。

1.詩は、言葉の音、リズムによる芸術
・ドイツの詩(西欧詩)は表音文字による表現だから、言葉の音、リズムを注視する度合いが強い。
・アルファベットの文字は音を示す記号で、その形そのものが意味やイメージを伝えない。
・表音文字で表現できる形・姿は、文字と詩語と詩句の並び方、詩行の長さ、行数、行間、詩節の数など、すべて表形文字でも表現できる。
・教会音楽、賛美歌、民謡、歌。音楽、歌詞と朗読、語る詩、詩は相互影響しながら並存してきた。

2.言葉の音、リズムによる詩形、定型、自由律・強弱、長短、抑揚(上昇と下降)、間(休止)、(詩行の)またぎ、押韻・無韻、繰り返し(リフレイン)。
・音による定型は、長大な叙事詩の背骨とも成りうる、形がないなら散文でしかない。
・散文と詩・韻文それぞれに優勢な時代はありつつも相互影響しながら並存してきた。
・自由律は定型でできない表現を探し見つける希求から生まれつつ相互影響しながら並存してきた。
・定型は変化し新しい定型が生まれ、はみでる新しい自由律が生まれる。
・定型は変化しても型を模倣できるが、自由律には繰り返すことができず、一度かぎり。
・その境界はあいまい、定型性があっても優れた作品ほど、その音楽は一度かぎり。

3.詩想にふさわしい詩の形をさがす、詩の形で生まれる。
・詩人はさまざまな詩形(言葉の姿、言葉の音)で表現を模索し、表現に挑み、変形し、これまでなかった独自の形を見つけ生み出す。
・詩が個人のように一度限りの顔で生まれ出る。
・詩人にふさわしい、詩人のその時にふさわしい、詩形との出会いがある。
・クロプシュタットから受け継いだもの、ヘルダーリンはオーデ、ゲーテは賛歌、ゲーテは民謡からも。

4.言語の相互影響と個性・さまざまな時代と地域の詩は影響しあってきた。西欧詩では、ギリシャ、ローマ、イタリア、フランス、スペイン、イギリス、ペルシャ・アラビア、国境なく。
・ドイツ語はアクセントの強弱で詩の(音の)形が作られる。ギリシャ古代語、イタリア語の、音節の長短と違うが、置き換え同等とみなすことで詩形、表現方法を吸収した。
・話している言葉で、聞きとれる音がちがう。***な詩形は、ドイツ語を話す人間には***のように聞こえる、聞こえない。
・イタリア語に比べて、***が弱い。***という表現ができない、でも、だから、詩人はドイツ語で***という表現方法を生み出した。このような記述がでるたび強く共感する。
・短所は長所でもある。創作で大切なのは、その個性をよく知ること。

 詩の草原を気ままに散歩しているとここから分かれ道です。
学術的により徹底して調べ分析し考える山道への標識もあります。登山して初めて見つかる眺望は素晴らしいと思います。
もうひとつの詩の海辺へ向かう道を私の足は選びました。いつも詩の潮騒につつまれ心を豊かにし、新しい作品を生みたいと願い歩いています


 ☆ お知らせ ☆
 『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。

 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフェニックス・池田智子)はこちらです。絵と音楽と詩の響きあいをぜひご覧ください。

    こだまのこだま 動画
  
 ☆ こちらの本屋さんは店頭に咲かせてくださっています。
 八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店、書泉グランデ、紀伊国屋書店新宿南店、三省堂書店新宿西口店、早稲田大学生協コーププラザブックセンター、あゆみBOOKS早稲田店、ジュンク堂書店池袋本店、紀伊国屋書店渋谷店、リブロ吉祥寺店、紀伊国屋書店吉祥寺東急店、オリオン書房ノルテ店、オリオン書房ルミネ店、丸善多摩センター店、くまざわ書店桜ケ丘店、有隣堂新百合ヶ丘エルミロード店など。
 ☆ 全国の書店でご注文頂けます。
    発売案内『こころうた こころ絵ほん』
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    詩集 こころうた こころ絵ほん
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    詩集 こころうた こころ絵ほん
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tag : 詩人 高畑耕治 詩集 こころうた こころ絵ほん

まりもの歌。伊賀ふでさんの詩(三)。

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた二人の女性、母と娘の豊かな詩作品集を紹介し、感じとってきました。
 前回に続き、詩集『アイヌ・母(ハポ)のうた―伊賀ふで詩集』(2012年4月、現代書館)を読みとります。
 著者は伊賀ふでさん、チカップ恵美子さんの母です。編集は詩人の麻生直子さんと、北海道新聞社編集局写真部の植村佳弘さんが、心を込めとても丁寧に編んでいらっしゃいます。

 今回は伊賀ふでさんの、日本語の詩を見つめ、アイヌの二人の女性詩人についての詩想のまとめとします。
 
 最初に、4行の短い詩ですが、伊賀ふでさんが詩心ゆたかな詩人だと感じる詩を引用します。この詩には、娘のチカップ美恵子さんの詩「キトビロを摘む」と通いあう柔らかな抒情がそよ風のように揺れていると私は感じます。

   日本語詩

    

  鈴蘭と
  ねじれ花咲く
  あの丘は
  思い出の土地
  人恋ふた丘


 詩心を抱く人が詩人ですが、詩人はまた言葉で心を美しく表現する人です。
 伊賀ふでさんのアイヌのウポポ(歌舞詩)意訳詩に私は彼女の言葉の音に対する感性の鋭敏さを感じます。

 次のウポポは、アイヌの歌詞の言葉の響きと、日本語の響きは異なっていて似ていません。逆にそのことが、この詩人がアイヌの言葉の響きを繊細に感じとったうえで、その響きにもっともふさわしい、もっとも響きあう日本語の音を選んで、詩の音楽、歌を紡ぎ出していると、教えてくれます。

 作品「霧とカムイ」の日本語の意訳詩の言葉の音楽はとても美しいです。
「ゆらゆら」「ゆれて」「ゆりかご」「行(ゆ)く」「夢」「浮(u)かぶ」と、「yu」「u」というやわらかなまるみをおびた音を詩行にゆらめかせ、浮かび沈みさせています。幻想的ではかない情景と心象と音が美しく詩のうちに溶け合っています。

    霧とカムイ

  ウララ シュウエ
  エカムイ シンダ
  アートゥエ トゥンナ
  エトゥヌン パエー

  霧が ゆらゆらゆらとゆれて
  エカムイ(雷神)が 美しいゆりかごに乗り
  海のかなたへ 消えて行く
  いまのは夢か まぶたのそこに浮かぶ

 詩人である伊賀ふでさんは、迫害され続けたアイヌのひとりとして、誰よりも深く心痛め、心鋭く裂かれ、生活し、生き、ノートに詩を書きとめました。彼女は悲しみと苦しみそのままの、日本語の詩を残しています。短く引用します。
 娘の美恵子についての詩句、亡き母にすがりつくような詩句に、込められた母の思い、娘としての思いが悲しく、心打たれます。

    詩「涙の小川」
   (略)
  小川の果てる頃はきっと
  子らや兄妹たちが/明るい灯をともし
   (略)

    詩「苦い薬 苦い涙」 (最終2行)

   (略)
  無邪気な子どもには 罪がない
  苦い涙を流し 母の心誰しるや

    詩「お先はまだみえず」(最終4行)

   (略)
  しっかりせいよ ふで ふで
  目をつぶって 歯を食いしばる
  痛いよ こたえるよ
  なつかしのいまは亡き母にうったえる

 伊賀ふでさんが日本語で書いた詩のなかで、私が一番好きな詩を最後に引用させて頂きます。
「アイヌ語と日本語の対訳詩」の日本語詩ですので、アイヌ語の詩はぜひこの詩集でお読み頂けたらと願います。
 優しい詩心、ゆたかな抒情がゆれ、言葉の音楽がとても美しい歌です。アイヌの世界観と願いと祈りで織りあげられたこの詩を私はとても好きです。

    トウラ サンペ:まりもの歌 

  空の色のように青く
  まるいまるいまりもさん
  いまでは都でも村でも
  知らない人はありません
  外国人も内地人も
  たからもののように尊んで
  まりもはいいわね
  歌にうたわれ 美しく
  みんな歌ってくれますね
  お天気がよければ湖に顔を出し
  ああ 私もなりたい まりもに
  美しいまりも
  うらやましい
  永い浮世を永久に
  百年 千年 何万年
  清くりりしく生きていてね

 伊賀ふでさんの詩心、美しい詩と木魂する私自身の詩をここにリンクします(クリックしてお読み頂けます)。呼び合う声を聞きとっていただければ、とても嬉しく思います。

  詩「まりものゆらら」 < (詩集『愛のうたの絵ほん』から)

 木魂を聞きとってくださった方の心のひろがりは、伊賀ふでさんとチカップ美恵子さんが生涯をかけて伝えようとされた、アイヌの美しい景色、鈴蘭が咲く丘へとつながっていると私は思います。
 二人の愛(かな)しい詩が、まりものように、いつまでも美しく、心に揺れる歌であり続けますように。

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tag : 詩人 高畑耕治 詩集 こころうた こころ絵ほん アイヌ 伊賀ふで

アイヌの母の子守唄。伊賀ふでさんの詩(二)。

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた女性の、豊かな詩作品集を紹介し感じとってきました。
 前回に続き今回は、詩集『アイヌ・母(ハポ)のうた―伊賀ふで詩集』(2012年4月、現代書館)を見つめます。
 著者は伊賀ふでさん、チカップ恵美子さんの母です。編集は詩人の麻生直子さんと、北海道新聞社編集局写真部の植村佳弘さんが、心を込めとても丁寧に編んでいらっしゃいます。

 前回、母から娘に受け継がれたアイヌのウポポ(歌舞詩)「虹の歌」について記しました。
 伊賀ふでさんのウポポ意訳詩が、詩作品としてどうしてこんなに豊かに感じられるのか?それは次のような源泉からあふれ出てきた詩だからだと、私は感じます。

 伊賀ふでさんはこの詩集の原型であるノートに、次のような思いを繰り返し書きつけられました。引用します。
 P38注記 ノート「これだけの短詩から、りっぱな詩が生まれる。ながいながい下手な詩より、美しいきよらかな昔の人の心が、よみとれる」
 P49注記 ノート「二言、三言のウポポの中身には深い意味があると思う」
 P50注記 ノート「霜にも草一本にも短いながら百言にも勝る二言、三言の詩を作る昔の人に感謝をしながら」

 これらの言葉には、アイヌの口承文芸、歌を育み伝えてきた「昔の人」に対する深い心からの尊敬の念と感謝の気持ちがあります。「美しいきよらかな昔の人の心」を感じとりたい、というとても強い願いと意思があります。その思いの切実さが、ウポポ意訳詩には美しく愛(かな)しく響いています。

 彼女の思いの切実さと意思の強さは次のことにも強く感じます。伊賀ふでさんは、いくつかのウポポを、時間を置いて重ねて異なる表現をさぐるように再度意訳しなおされています。
 次のウポポも、1954年に1連6行の意訳詩を作った後、1958年にふたたび1連26行の詩を創っています。思いと愛情の深さを感じずにいられません。

 1958年の新しい作品は音楽性豊かでとても美しい歌です。
 アイヌの歌詞の鶴の哀しい鳴き声を彼女は、日本語としてよりよく心に響く音に置き換えています。
 「ホロロロロ……」。この哀しい響きはどこからくるのでしょう。

    サルルン リムセ:鶴の舞い 

  フンドリ フン チカップ
  アホゥー アホゥー ホゥーホゥー

  (冒頭6行)
  鶴よ 鶴よ ホロロロロ……
  舞え 舞え 美しい鶴
  おししょう鶴が真ん中で
  恋の若鶴 丸く輪になり
  母の舞いを受け継いで
   ホロロホロロ……
   (略)


 母の心の優しさそのものの、子守歌のウポポ意訳詩が、そっと教えてくれました。
 「アタハン アタハン」は、「ネンネコ ネンネコ」、そばで見守る母のやさしい声です。その声に続く、息のあたたかな、おだやかなささやき。
 あかんぼ、子どもが、目を閉じ眠る暗闇をこわがるとき、抱きよせたアイヌの母は、こわがらなくていいよ、私がそばにいるからだいじょうぶだよ、おやすみ、という肌のあたたかみそのままの思いを、「ホロロロロ」と、その響きのやすらぎで包みながら、こどもを守り、育てたのだと。

 ウポポで繰り返されるこの声は、伊賀ふでさんが、伝えてくださった、アイヌの母の愛の歌なのだと私は知りました。
 
 そしてアイヌの母は、鶴も自分とまったく同じ思いで「ホロロロロ」と、舞い歌っていると、いのちとして感じることができる、いのちを育む人間でした。私が心から敬愛するアイヌの世界観そのものです。


    アタハン アタハン:子守歌 (冒頭3行)と(最終2行)

  テイダ マッタ マクンフチ
  イフンケ タパアンネ
  アタハン アタハン
  (略)
  アタハン アタハン
  ホロロロ ホロロロ ホロロロ

  むかしむかしのおばあさまから
  伝わった子守歌ですよ
  ネンネコ ネンネコ
  (略)
  ネンネコ ネンネコ
  ホロロロ


 この詩集の冒頭の意訳詩「イヨマンテ」も、アイヌの心、命をとても豊かに見つめ感じるアイヌの世界観を、優しい言葉で教えてくれます。短いアイヌの歌詞に込められている深い思いを、伊賀ふでさんの感受性ゆたかな詩心が日本語の詩として響かせてくれたのは、かけがえのないことだと思います。
 知里幸恵さんの『アイヌ神謡集』との木霊をこの詩集に感じとれることを、私は心から嬉しく思います。
 あまりにも優しく哀しく熊に語りかける詩が私はとても好きです。割愛できず、全文を引用させて頂きます。

  ウポポ意訳詩
    イヨマンテ:熊送り(熊祭りの淋しさ)

  コロ エペレ
  ホブニナ
  ホク トンゲ
  ヘ チュイ
  ヤン フーン

  さようなら さようなら
  私のかわいい仔熊よ
  泣けて泣けてしかたがない
  これが運命というものか
  共に暮らし 共に食し
  きょうだいのように遊んだり
  同じ空を見たり
  寒さも暑さも一緒にしたものを
  心ならずも おまえは天国へ行く
  神にされて行ってしまう
  遠い遠いあの空へ
  許しておくれ 昔のしきたり
  生まれ変わって
  また私のところへ戻っておくれ
  私は泣きながらお送りします

 次回は、この本に収録された伊賀ふでさんの日本語の詩作品を見つめます。

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tag : 詩人 高畑耕治 詩集 こころうた こころ絵ほん アイヌ 伊賀ふで

アイヌのウポポ。母と娘の虹の歌。伊賀ふで詩集(一)

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた女性、チカップ美恵子さんの豊かな詩作品集を紹介しつつ感じとれた私の詩想を記してきました。
 今回は彼女のひとつの詩を最後に紹介すると同時にその詩から、彼女の母の伊賀ふでさんの詩へと、虹の橋をかけたいと思います。

 チカップさんの美しい本『チカップ美恵子の世界―アイヌ文様刺繍と詩作品集』(2011年9月、北海道新聞社)には、美しいアイヌ文様刺繍の写真が咲きにおっています。この本のカバー写真の刺繍作品タイトルは「虹の歌」です。
 チカップはアイヌの言葉でです。次の詩「わたしは鳥」で、彼女の心は鳥になりきって歌っています。動物が一人称で語りうたうことを特徴とする、カムイ・ユーカラ(アイヌ神謡)の世界で羽ばたいています。
 そして、空には虹。母、伊賀ふでから教わり、二人歌ったアイヌのウポポ(歌舞詩)「虹の歌」の響きを、彼女は心に聞きながら、この詩を作り歌ったのだと私は感じます。

    わたしは鳥 (前半17行目まで)

  雨上がりの昼下がりに
  わたしはそよ吹く風に乗って散策しようと思った
  森をでていくつもの町を越すと海にでた
  海に浮かぶ島々を眺めるのは心地よい
  はるか彼方の尾根は気高く連なり
  谷間を縫うように川は流れている
  緑の美しい大地には青い瞳の湖が美しく輝いている
  木々たちはうれしそうにそよぎ
  花々は笑うように右に左に揺れている
  そんな美しさに見とれながらなおも散策を続けていると
  地上から人の声がした
    虹がでている
    鳥が虹をくぐり抜けていく
    美しい
  といっている
  わたしには見えないけれどわたしは虹を知っている
  虹は美しい天空へのかけはし
  (略)

 チカップ美恵子さんのお母さんの本『アイヌ・母(ハポ)のうた―伊賀ふで詩集』(2012年4月、現代書館)が出版され、読むことができました。
 著者は、伊賀ふでさん。編集は詩人の麻生直子さんと、北海道新聞社編集局写真部の植村佳弘さん。チカップさんとの生前の約束、遺志をくまれたお二人の尽力で、彼女が大切に持っていた母のノートをもとに刊行されました。素晴らしく喜ばしいことだと心から感じます。

 同書の年譜によると、伊賀ふでさんは、1913(大正2)年釧路町春採で生まれ、長兄は後に「民族復権運動の父」といわれた山本多助さん。この方の『カムイ・ユーカラ』(1993年、平凡社ライブラリー)を私は愛読していましたので、私は伊賀ふでさん、娘のチカップ美恵子さんが詩人であることをとても自然に感じます。

 この本にはCDが付いていて、伊賀ふでさんや近親のフチ(おばあさん)たちのウポポ、そしてチカップ美恵子さんの歌い声を聴くことができます。
 伊賀ふでさんとチカップ美恵子さんは、母と娘ふたりで、ウポポ「虹の歌」をアイヌの言葉で歌っています。楽しく微笑みあう表情が浮かんでくるふたりのウポポは、とても愛(かな)しく心に響き続け消えません。

 チカップ美恵子さんは、母と歌ったこの時をこころに抱き続け、美しく空に燃えあがるようなアイヌ文様刺繍「虹の歌」を創り織り上げ、言葉の織物の詩「わたしは鳥」も紡いで歌ったのだとわたしは感じます。
 ふたりのこころが虹で結ばれています。

 この「虹の歌」はCDに収録されたふたりの歌声を聴け、また『アイヌ・母(ハポ)のうた―伊賀ふで詩集』の本文で、伊賀ふでさんがアイヌの歌詞をカタカナで表記し、並べてウポポの心を日本語で紡いだ、ウポポ意訳詩で読むことができます。とても美しい詩です。

  ウポポ意訳詩

    虹の歌

  フレベンナ フオォー
  フレベンナ フォー

  タ エレバシ
  トゥカムイ イタップハウ
  レカムイ イタップハウ

  フレベンナ フオォー
  フレベンナ フォー


  あの空を見てごらん
  真っ赤な真っ赤な西の空
  雨があがったばかりで美しい
  そこへ虹の橋がかかり
  神々がその橋の上で
  何かささやく声
  恋のささやきか それとも
  女神たちのいさかいか
  ほんとうに赤く 美しいあの空
  清らかな虹の橋
  いつまでも消えぬよう
  私はささやきを聞いていたい

 次回は、チカップ美恵子さんのかけがいのない母、伊賀ふでさんの詩集をさらにみつめてみます。

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アイヌ・モシリ、愛と祈り。チカップ美恵子の詩(三)

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた女性、チカップ美恵子さんの豊かな詩作品集を紹介しつつ感じとれた私の詩想を記しています。
 チカップさんの美しい本『チカップ美恵子の世界―アイヌ文様刺繍と詩作品集』(2011年9月、北海道新聞社)に織り込められた詩の言葉は、アイヌ文様刺繍のような肌ざわり、ぬくもりと、息づかいを伝えてくれます。
 今回は私が好きなチカップさんの詩に響いている「愛と祈りと死」の主題をみつめます。

 最初に詩「キトビロを摘む」。生まれ育った丘に寝転び伸ばした手のひらにふれたキトビロ(薬草)。時を遡り過去と今を照らし出す想い、なつかしさといとおしさ。変わらないもの、変わってしまったもの、深く感じ歌い心に響かせるのが詩だと教えられる気がします。

    キトビロを摘む (最終連)

  同じ この丘で
  先祖たちは
  やはり キトビロを摘み
  食卓に
  季節の香りを
  楽しんだのだろうか……
  なつかしさと いとおしさの中に
  私の遺伝子を感じつつ
  キトビロを摘む

 
 次の詩は海と川を遡る鮭たちの姿が鮮やかに浮かび上がるとてもドラマチックな詩です。アイヌ民族は鮭を主食とし鮭を神として敬い生き続けてきた、その思いの真実さが詩句に息吹きをふきこんでいます。言葉が豊かに流れ揺れる長篇詩からほんの一部だけ引用させて頂きました。
 故郷についての詩行、大地や山や川を描く詩句はとても美しいと感じます。
 続く愛と死を歌う詩句には、アイヌの世界観が輝いています。鮭の生きざまは人間の生きざまと重ね合わされかけがえのないいのちと捉えられています。アイヌ・ユーカラのような、アイヌ民族の美しい祈りの歌、私は素晴らしいと思います。

    至福をもとめて故郷(ふるさと)へ帰る鮭たち

   (略)
  母なる大地に連なる山々は母なる大地の乳房であり
  母乳である川には先祖たちがたたずむ
  山々の栄養分をたっぷりいただいて
  鮭たちを育てた懐かしい故郷の香りがある
  鮭たちは故郷の香りをたよりに故郷へ帰ってくる
   (略)
  婚姻色に染まった鮭たちは
  やがてパートナーたちとめぐりあう
  鮭たちの愛のいとなみは
  生命をつむぐための死へのいとなみ
   (略)
  たった一度の愛のいとなみに
  すべてをかけ果てていく鮭たち
   (略)
  ゆっくり休むがよい
  故郷に抱かれて休むがよい
  カムイ・チェプ
  神の魚たちよ!

 このような敬虔な世界観に生きたアイヌ民族、利他的で戦闘的でない民族が、日本人に虐げられ、暮らす大地を奪い取られた歴史、民族の言葉さえ消し去り支配しようとした日本人の恥ずべき迫害行為を見つめ続けなければいけないと私は考える者です。言葉を奪う、許してはいけない暴力です。チカップさんも祖父母は強制移住させられていて、その時には多くの病死者が出でいます。無念の思いで亡くなられた方を忘れてはいけません。
 詩「十一月のある記憶」を読むと、心が痛くなります。
 この本には収録されていませんがチカップさんは、「統合失調症の娘をもつ母として」というエッセイを書かれています(インターネットで読めます)。彼女がみつめ考え続けていた思いがどんなに深かったか、思わずにいられません。

    「十一月のある記憶」 (最終部の2連)

  アイヌ民族は怒りが足りないわ
  アイヌ民族はもっともっと
  日本人に怒りをぶつけるべきだし
  日本人はアイヌ民族のことを
  もっともっと受け入れるべきだわ
  私はアイヌでもないし
  日本人でもない
  私はハーフでありダブルよ

  沖縄のおじさんが娘に声をかけた
  あなたはお母さんがいいたくともいえない
  しかし一番いいたかったことをいったね
  そのとき 娘は十六歳になっていた


 アイヌ民族のこころを伝えようと生き続けた彼女は、虐げられた他民族、他者に対しての不正に対しても、黙って見過ごすことはできませんでした。心が痛んだからだと私は思います。詩「握り飯」がそのことを教えてくれます。朝鮮人強制連行、強制労働、残虐な行為を日本人がしたこと、目をそらしてはいけないと考えます。

    握り飯

  雪に足跡を残し
  タコ部屋を逃れてきた人
   (略)
  追っ手のムチだ
  ビューン ビュン ビュン
  ふところの飯
  雪にころがり
  嗚咽は雪に響く
  朝鮮人は虫の息だ
  アイヌ・モシリの大地には
  朝鮮人の魂がさまよい
  ひしめいている


 苦しい詩の紹介が続きましたが、最後に、歴史を正視したうえで、現在から未来に向けて響いていく、チカップさんの詩を引用します。
 詩は、願いが込められた言葉、祈りの歌です。心に響かせたいと思います。
 私は日本人だけれども、アイヌ・ユーカラの世界観を心から尊敬し学びたいと思ってきましたし、心を育てられてきました。
 今も私の心には、アイヌ・モシリが広がり、アイヌの声が響いています、風のように。

    レラ・コラチ =風のように= (最終連)

  声を出せなかったアイヌたちが
  声をだすときがきたのだ
  アイヌの声をきくがよい
  アイヌたちの声は
  気高く 誇らかに
  アイヌ・モシリに響いていくのだ
  永遠に……

 次回は、チカップ美恵子さんと母親の伊賀ふでさん、二人の虹の詩を、みつめます。

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tag : 詩人 高畑耕治 詩集 こころうた こころ絵ほん アイヌ チカップ美恵子

美しい森と湖。チカップ美恵子の詩(二)

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた女性、チカップ美恵子さんの豊かな詩作品集を、前回に続き紹介しつつ感じとれた私の詩想を記します。

 チカップさんの美しい本『チカップ美恵子の世界―アイヌ文様刺繍と詩作品集』(2011年9月、北海道新聞社)に織り込められた詩作品の言葉は、アイヌ文様刺繍のような肌ざわり、ぬくもりと、息づかいを伝えてくれます。

 今回は私が好きなチカップさんの詩作品から「美しい」詩をみつめ感じとります。

 最初に詩「樹液」。短い詩行ですが、言葉から、木の香り、樹液の甘さ、記憶、キトビロ(薬草)の手触りが強くたちのぼってきて、その体感をともに感じる思いになります。
 ロシアの小説家ドストエフスキーが「作家の日記」に記している通り、文学(小説・詩)の核となり作品にいのちを吹きこみ輝かせるものは「作者自身の強烈な印象・感動(の記憶)」です。私は文学の創作に理論も理屈も必要ないけれど、これだけは必要だと考えています。
 この詩は、思いの強さがとても瑞々しく波紋をひろげ伝わってきます。

    樹液

  はんなり 木の香り
  うっすらと
  のどに広がる 天然の甘さ
  ああ……
  忘れていた甘さの記憶
  キトビロを摘み
  レタラタッニ・白樺の木の
  樹木で のどをうるおす

 次の詩「いのちの花」も作者の心に焼きついた景色が心に沁みこみ心象に溶け、作者のいのちの鼓動のリズムをもつ言葉、うたとなって響きだしています。
 「ウパシ・アパッポ」という詩句の繰り返しには、カムイ・ユーカラ(アイヌ神謡)やウポポ(歌舞詩)の血の流れを感じます。アイヌは口承の文学を育み伝え続けてきた民族ですから、作者の心の鼓動になっているのだと思います。
 アイヌ民族の世界感、いのちをみつめるまなざしと、作者の感性が響きあっている、心あらわれるような美しい詩だと私は感じます。
 引用が多くなり過ぎないよう控えますが並んで掲載されている詩「ウパシ・雪」も、とても美しいです。

    いのちの花

  ウパシ・アパッポ
  ウパシ・アパッポ
  ゆきの花
  空と大地の
  あいだに咲く
  いのちの花
  ウパシ・アパッポ
  ウパシ・アパッポ
  瞬間のいのちを
  生きる
  ゆきの花
  ウパシ・アパッポ
  ウパシ・アパッポ
  瞬間を舞い
  輝く白い花

 チカップ美恵子さんの詩に息づくもうひとつの強い個性は、ロマンチックであること、抒情がとても豊かで泉のようになんのてらいもなく溢れだしていることです。
 詩「愛のカムイトー」のは、幻想的な美しい愛の湖への誘いの歌ですが、彼女はこの湖を信じています。このような湖を見て感じて知って育ち心に抱き続けているからこそ、素直な言葉は偽りの濁りなく詩の湖となりゆれ、ムックリ(口琴)の音が聞こえてくるのだと思います。
 この湖のひろがる豊かな心の森の世界は、アイヌ・カムイの世界、アイヌ・モシリです。美しく心洗われます。
 この森と湖が、邪悪さに汚されずに、いつまでもあり続けてほしいと、私は願わずにはいられません。

    愛のカムイトー (前半部19行)

  愛のまろうどたちを
  エメラルドグリーンのまなざしで
  つつんでくれる湖が
  北の大地にあるという
  その湖をもとめて
  まろうどたちが
  果てしのない旅をするとき
  森の木々たちが
  愛のまろうどたちに
  そっとささやく

  ムックリの調べに耳を傾けなさい
  ムックリの音色が
  あなたを
  そこへ連れていってくれるでしょう

  だれが鳴らすのか
  神秘の湖に
  ムックリの音色が響きわたる
  (略)

 次回は、チカップ美恵子さんの詩の「愛と祈り」を聞きとります。

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アイヌ文学についての詩想とエッセイ (過去分再録)

 今、アイヌのふたりの女性、チカップ美恵子さんと伊賀ふでさんの詩集を読みとっています。

 アイヌの世界観と文学を教えてくれた敬愛する方、アイヌ・ユーカラアイヌの文学者について、これまで私が書いたエッセイ・詩想を、ここでとりまとめておきます。
 (今回は新しい記事執筆ではなく備忘・読み返しのための、過去執筆記事のリンク採録です。)

  『アイヌ神謡集』序、知里幸惠(一)
 
  知里幸惠(二)遺稿「日記」

  知里幸惠(三)遺稿「手紙」

  アイヌ神謡の優しさの豊かさ

  口承文芸としてのアイヌ神謡
 
  『アイヌ神謡集』2作品。知里幸惠

  『アイヌ神謡集』知里幸惠(四)

  アイヌ文学『若きウタリに』バチェラー八重子

  アイヌ文学『コタン 違星北斗遺稿』

  アイヌ文学『レラコラチ 森竹竹市遺稿集』


 初めてご覧になられた方は、執筆中のエッセイと合わせてお読み頂けたら、嬉しく思います。


 ☆ お知らせ ☆
 『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。

 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフェニックス・池田智子)はこちらです。絵と音楽と詩の響きあいをぜひご覧ください。

    こだまのこだま 動画
  
 ☆ こちらの本屋さんは店頭に咲かせてくださっています。
 八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店、書泉グランデ、紀伊国屋書店新宿南店、三省堂書店新宿西口店、早稲田大学生協コーププラザブックセンター、あゆみBOOKS早稲田店、ジュンク堂書店池袋本店、紀伊国屋書店渋谷店、リブロ吉祥寺店、紀伊国屋書店吉祥寺東急店、オリオン書房ノルテ店、オリオン書房ルミネ店、丸善多摩センター店、くまざわ書店桜ケ丘店、有隣堂新百合ヶ丘エルミロード店など。
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アイヌの祈りうたの織物。チカップ美恵子の詩(一)。

 アイヌ民族のこころを伝えようと懸命に生きた女性、チカップ美恵子さん、そして彼女の母の伊賀ふでさん、今回からの数回は、二人の豊かな詩作品集を紹介しつつ感じとれた私の詩想を、記します。

 はじめに娘のチカップ美恵子さん、チカップはアイヌの言葉で、彼女の羽ばたきを見つめます。同じ時間を生きながら、チカップさんの作品やご活動を知らずにいて、2010年急性骨髄性白血病で61歳でお亡くなりになった後になって初めて巡り合えたことを、私は愛(かな)しく思います。

 一冊の美しい本『チカップ美恵子の世界―アイヌ文様刺繍と詩作品集』(2011年9月、北海道新聞社)を通して、私は彼女に出会えました。この本は同新聞社編集局写真部の植村佳弘さんが、チカップさんとの生前の約束、遺志をうけて尽力されたことにより、生まれたとのことです。
 チカップ美恵子さんのアイヌ文様刺繍のほぼ全作品を、植村さんが鳥が飛び立ち翔ける姿で美しいアイヌの自然を背景に撮影された美術書であり、チカップさんの詩作品が刺繍の写真とともに織りこめられています。この本そのものが、アイヌ文様刺繍のような肌ざわり、ぬくもりと、息づかいをもっているように私は感じます。

 チカップさんのアイヌ文様刺繍を私は初めて知りましたが、とても美しく心うたれる作品です。この作品の鼓動の生れてくるこころを、チカップさんは次の詩でうたわれています。アイヌ文様刺繍に織り込められた心を、静かに美しい言葉で響かせていますので、全文を引用させて頂きます。

   祈りうたをつむぐ

 宇宙の時間を刻む月や星たち
 母なる大地に根をはって
 人びとの暮らしをうるおしてきた深い森
 そこに住む動植物たち
 心を癒すような蒼さをたたえた湖
 木々たちのおしゃべりや風のうた
 鳥たちのさえずり
 大地の祈りうた
 それらはすべてカムイたち
 カムイたちを感じるままに心象風景を投影すること
 そうすると刺繍に生命の躍動感が生まれてくる
 それらが生けるカムイたちなのだ
 光り輝く生命(いのち)たちだ
 だから ごく自然に心のおもむくままに針を進めること
 それはひと針ひと針に込められた女たちの祈りうたであり
 いとおしいひとへの愛のメッセージなのだから

 私が敬愛してやまないアイヌの世界観、とりまく自然や生き物たちすべてをカムイと感じて敬う祈りが紡ぎこまれています。その世界のなかでの「女たちの祈りうた」「いとおしいひとへの愛のメッセージ」の切実さこそ、これらの美しく愛しい刺繍のいのち、息吹なのだと、教えられ心うたれます。

 私は美術批評家ではありませんので刺繍を美しいと感じることしか書けません。次回はひとりの詩人として、チカップ美恵子さんの詩を読むことで心に湧きあがった詩想を記したいと思います。

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てるてるぼうずのこころうた。初出と改稿。

 梅雨の季節、草花たちや稲の苗、かえるたちに、雨はかかせない、喜んでるだろうな、と想いつつも、憂鬱にもなったりもします。

 次のブログの展開のため、本を読んだりあれこれ考えたりしながら、雨の音を聴いているひと時、てるてるぼうずの笑顔の花を咲かせます。タイトルをクリックしてお読み頂けます。

   詩「てるてるぼうずの四季」

 ホームページでの初出形です。今年発売しました『詩集 こころうた こころ絵ほん』の収録詩は、他の多くの作品と同じようにかなり改稿しています。
 読み比べて頂いて違いのある箇所は、私なりにより良くしようとした苦心のあとです。画家が、絵の上からまた絵を描き直すのに少し似ている気がします。

 梅雨は苦手ですが、てるてるぼうすが私は好きです。かたつむりとあじさいも。

 ☆ お知らせ ☆
 『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。

 イメージング動画(詩・高畑耕治、絵・渡邉裕美、装丁・池乃大、企画制作イーフェニックス・池田智子)はこちらです。絵と音楽と詩の響きあいをぜひご覧ください。

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 八重洲ブックセンター本店、丸善丸の内本店、書泉グランデ、紀伊国屋書店新宿南店、三省堂書店新宿西口店、早稲田大学生協コーププラザブックセンター、あゆみBOOKS早稲田店、ジュンク堂書店池袋本店、紀伊国屋書店渋谷店、リブロ吉祥寺店、紀伊国屋書店吉祥寺東急店、オリオン書房ノルテ店、オリオン書房ルミネ店、丸善多摩センター店、くまざわ書店桜ケ丘店、有隣堂新百合ヶ丘エルミロード店など。
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新しい詩「こころ花」連作8篇をHP公開しました。

 詩集『こころうた こころ絵ほん』を出版してから、新しい作品を生むのに少しが時間がかかり難産で完成に苦しみましたが、やっと、新しい詩を書きあげ、HP公開できました。こころはな咲きました。
 ブログ「愛(かな)しい詩歌・高畑耕治の詩想」で記している想いの、作品としての結晶だと思っています。
 詩を書かなければ詩人ではない、詩を生むのが詩人、あたありまえのことですね。

 詩の花束「こころ花」(クリックでお読み頂けます)。

 こころ花(こ) 飛んで
 こころ花(こ) ふるさとの
 こころ花(ろ) 山のこずえに
 こころ花(は) 空色の羽
 こころ花(な) 今日は聞こえる
 こころ花(さ) まりも
 こころ花(い) 麦の歌
 こころ花(た) 海と地と、空  


お読みくださると、とても嬉しいです。

 ☆ お知らせ ☆
『詩集 こころうた こころ絵ほん』を2012年3月11日イーフェニックスから発売しました。A5判並製192頁、定価2100円(消費税込)です。

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